毎年、国内外から多くの方が京都へ訪れる紅葉シーズン。気象庁によると、2025年の京都では11月17日に見頃を迎えるとのことです。
京都は南北に長い形状のため、北部は10月下旬~11月中旬にかけて紅葉が進み、1週間ほど遅れて京都南部に紅葉前線が移っていきます。
つまり、京都全域で見ると紅葉が楽しめるのは10月下旬~12月初旬。また、紅葉が散ってしまった後でも地面が一面赤く染まる「床もみじ」スポットもたくさんあるので、12月中旬まで紅葉が楽しめるエリアもあり。
そこでこの記事では、京都東部の紅葉スポットや期間限定で特別拝観が可能になる神社・寺、そしてライトアップ情報を紹介します。
穴場スポットも多く、境内の時代を象徴する庭園とのコラボレーションも美しいので、伝統的な庭園や自然が好きな方は必見です!

京都東部エリアの特徴は?

多くのアニメに登場するほど、国内外で有名な清水寺や、金閣寺と対照的な美しさをもつ銀閣寺、そして祇園祭で有名な八坂神社など、京都を代表する神社・寺が多いエリアです。
また、清水寺に向かう二寧坂・産寧坂や、八坂神社周辺にある花見小路、そして京町家や昔ながらの由緒ある街並みの祇園など、散策するだけでも楽しい通りが目白押し。
さらに、鴨川沿いは地元の人にも憩いの場として愛されるスポット。鴨川納涼床も、夏の京都の風物詩です。
京都の代表的な神社やお寺、京都の昔ながらの路地や街並みを楽しみたい方におすすめ。
それでは、早速このエリアの紅葉ライトアップ&特別限定公開があるスポットを紹介していきます!
【清水寺&成就院庭園】観音様の慈悲を感じながら一面の紅葉を楽しむ

「清水の舞台」の下に紅葉が一面に広がる光景は、「一度は見ておきたい京都の絶景」と評判の清水寺。特に、夜のライトアップで放たれる青い光の筋は清水寺の本尊・十二面千手観音菩薩立の慈悲を表すとして、この時期の大切な風物詩となっています。
紅葉で色づいた清水の舞台から京都の街を見渡し、昔から無病息災・立身出世・良縁を願う人々に信仰されてきた観音様の御心を感じてみてください。
また、清水寺から歩いて2分の距離にある「成就院庭園」も、この時期限定で特別公開される名庭です。成就院は、応仁の乱で焼失した清水寺を再興した願阿上人の住いとして建てられ、幕末には西郷隆盛らが密談を交わした場所とも言われています。
成就院の「月の庭」は、清水寺の近くにある高台寺山を借景に作られ、東山にのぼる月が庭を照らす様子が美しいことからその名で呼ばれています。
ぜひ、月の美しさと庭の幽玄な美しさをじっくり堪能してください。
清水寺夜間特別拝観 期間: 2025年11月22日(土)〜12月7日(日) 時間:17:30〜21:30(最終受付21:00) 場所:清水寺(京都府京都市東山区清水1-294) 料金:大人500円、小・中学生200円 詳細:https://www.kiyomizudera.or.jp/event/yakan.php |
成就院庭園特別公開 期間:2025年11月22日(土)〜12月7日(日) 時間:9:00~16:00(16:00受付終了)/18:00~20:30(20:30受付終了) 場所:清水寺(京都府京都市東山区清水1-294) 料金:大人600円/小中学生300円 詳細:https://www.kiyomizudera.or.jp/event/jojuin.php |
【高台寺】豊臣秀吉の妻・ねねの友情の深さを知るプロジェクションマッピング

高台寺は、豊臣秀吉の妻・北政所(通称ねね)が創建したお寺で「ねねの寺」として親しまれています。
春にはねねが晩年を過ごした圓徳院がある道「ねねの道」沿いにソメイヨシノや紅しだれ桜が咲き誇り、秋には紅葉やユニークなプロジェクションマッピング、そして光に照らされた竹林が境内を飾ります。
境内の方丈前庭「波心庭」では、ねねとその友人・越前のまつの固い友情をテーマにした「永遠の絆〜ねねとまつ〜」がプロジェクションマッピングによって行われます。
臥龍池に映り込んだ紅葉の美しさとともに、この時期限定のプロジェクションマッピングを楽しんでください。
また、高台寺からねねの道を挟んだ向かい側には、掌美術館があります。桃山文化の豪華絢爛な特徴が詰まった蒔絵の調度品が見られるので、当時の戦国武将が示したかった華麗な美を感じてみてください。
秋の特別拝観 期間:2025年10月24日(金)〜 12月14日(日) 時間:9:00~22:00(最終受付21:30) 場所:高台寺(京都府京都市東山区 高台寺下河原町526) 料金:通常の拝観料のみ 大人600円/中高生250円/共通割引拝観券(高台寺・圓徳院※掌美術館含む)900円 詳細:https://www.kodaiji.com/saiji.html |
夜間特別拝観 期間:2025年10月24日(金)〜 12月14日(日) 時間:17:00~22:00(最終受付21:30) 場所:高台寺(京都府京都市東山区 高台寺下河原町526) 料金:同上 ※昼夜入替制ではありませんが、一度退出後の再入場はできません。 詳細:https://www.kodaiji.com/saiji.html |
【圓徳院】ねねが愛した小柄な紅葉を高台寺と合わせて楽しもう


圓徳院は、ねねが晩年の19年間、自身の本拠地として過ごした高台寺の塔頭の一つです。
塔頭とは本寺の境内にある小寺のことで、本来は禅宗で高僧の墓を守るために弟子が建てた庵や寺を指しました。
圓徳院にはねね好みの小ぶりの紅葉が100本ほど植えられ、秋には鮮やかに境内を彩ります。
北庭は多数の巨大な岩が置かれている様子が桃山時代の豪華さを象徴している庭園であり、秋のライトアップでは、闇夜に浮かぶ大岩と真っ赤な紅葉の対比が神秘的ですよ。
圓徳院は、高台寺からねねの道を挟んですぐのところにあるので、ぜひ高台寺と合わせて訪れてください。
夜間特別拝観 期間:2025年10月24日(金)〜 12月14日(日) ※12月12日(金)・13日(土)は法務のため休み 時間:17:00~22:00(最終受付21:30) 場所:圓徳院(京都府京都市東山区高台 寺下河原町530) 料金:大人500円/中高生200円 詳細:https://www.kodaiji.com/entoku-in/ |
【永観堂禅林寺】みかえり阿弥陀如来と趣深い紅葉美に癒される


永観堂の正式名称は「禅林寺」。約1200年前の建立時は真言密教の道場でしたが、時代を経て浄土宗の寺院に移行した歴史をもつことから、多くの密教系美術を有しています。
古くから京都随一の紅葉の名所として知られ、境内には約3,000本もの紅葉が庭園や多宝塔、御影堂を鮮やかに彩ります。
ライトアップでより幻想的に照らし出された紅葉と本堂、そして「みかえり阿弥陀如来」の姿が見ものです。みかえり阿弥陀如来が、周囲にいるすべての方を案じて見返り、慈悲を与えてくださる様子をありがたく拝みましょう。
秋のライトアップ 期間:2025年11月15日(土)〜 12月10日(水) 時間:17:30~21:00(最終受付20:30) 場所:永観堂禅林寺(京都府京都市左京区永観堂町48) 料金:中学生以上700円 詳細:https://www.eikando.or.jp/gyouji.html |
【知恩院】友禅苑を赤く彩る紅葉と格式ある三門は見ごたえあり

「念仏を唱えることで救われる」と説いた法然上人が開いた、浄土宗の総本山「知恩院」。
当時は、政権を争う内乱や飢餓、疫病、そして地震などに見舞われた人々を救い、心のよりどころとして信仰された宗教です。
知恩院の見どころは、日本最大級の木造二重門である国宝の三門や庭園・友禅苑。特に、友禅苑は、扇絵師・宮崎友禅が知恩院の門前に住んでいたことからその名が付きました。
東山の湧き水を引いた池や枯山水の庭園で構成された名園であり、春には桜、秋には紅葉が美しくどちらの時期もライトアップが行われます。
境内には、三門や友禅苑のほか、両側にライトアップされた紅葉が美しい女坂、除夜の鐘で有名な大鐘楼、そして阿弥陀堂(外観のみ)など荘厳な雰囲気の名所がたくさん。
格式あるお寺の重みのある雰囲気と、鮮やかな輝きを放つ紅葉の美しさに見とれてしまうでしょう。
秋のライトアップ2025 期間:2025年11月19日(水)~12月7日(日) 時間:17:30~21:30(最終受付21:00) 場所:知恩院(京都府京都市東山区林下町400) 料金:大人800円 / 小・中学生400円 詳細:https://www.chion-in.or.jp/event/event/1489/ |
【金戒光明寺】京都の「秋の夕暮れ」を深く感じる名スポット


金戒光明寺は、法然上人が山頂で浄土宗の念仏を唱えているとき、明るい光が周囲を照らしたことに感銘を受けたことをきっかけにして建立したお寺です。
京都の街を一望できる高台に位置し、秋の日没直前の光景は山々や京都の街が赤く染まっていく様子が美しいため、「秋の夕暮れ」の名所として知られています。
ライトアップの見どころは、法然上人の座像をはじめとする多くの文化財が安置される「御影堂」や国内最大級の「幢幡(仏堂に飾る旗)」、そして2m60㎝もある「吉備観音」など。
また、「紫雲の庭」のライトアップされた紅葉が水面に映る「逆さ紅葉」も美しいですよ。
この夜間拝観は予約不要で入場できますが、ゆっくり拝観したい方は30分早く入場して庭園ガイドも受けられる「プレミアム拝観プラン」がおすすめ。
金土日のプレミアム拝観プランでは、金戒光明寺御用達の職人、もしくは庭園コンシェルジュが境内の大方丈や庭園をガイドで案内してくれます。
また、月~木のプレミアム拝観プランでは、京都SKY観光ガイド(京都市観光協会の観光ガイド)によるガイドを30分間受けられます。
金戒光明寺の魅力を深く堪能したい方は、ぜひ利用してみてください。
特別夜間拝観 期間:2025年11月15日(土)~12月7日(日) 時間:17:30~20:30(最終受付20:00) 場所:金戒光明寺(京都府京都市左京区黒谷町121) 料金:大人1,000円/小学生500円 詳細:https://www.kurodani.jp/lightup/ |
【個人向け】プレミアム拝観プラン 金土日 期間:2025年11月15日(土)~12月7日(日)のうち金土日 受付時間:16:30~ 拝観時間:17:00~20:30 ※30分間のガイド後は自由拝観 場所:金戒光明寺(京都府京都市左京区黒谷町121) 料金:大人2,000円/小学生1,500円(幼児は無料) 定員:30名 予約:https://select-type.com/rsv/?id=pKzKIzTBHTU&c_id=410821 |
【個人向け】プレミアム拝観プラン 月~木 期間:2025年11月15日(土)~12月7日(日)のうち月~木 受付時間:16:30~ 拝観時間:17:00~20:30 ※30分間のガイド後は自由拝観 場所:金戒光明寺(京都府京都市左京区黒谷町121) 料金:大人1,500円/小学生1,000円(幼児は無料) 定員:30名 予約:https://select-type.com/rsv/?id=pKzKIzTBHTU&c_id=410843 |
【青蓮院門跡】青色に輝く紅葉の優美さを見よう


青蓮院は、天台宗の祖である最澄が比叡山延暦寺を開く際に山頂に作った僧侶の一つ「青蓮坊」が起源となったもの。
青蓮院は住職が皇室によって受け継がれてきたお寺である門跡寺院であることから、「青蓮院門跡」と呼ばれ、三千院や妙法院と並んで三門跡の一つでもあります。
本尊が熾盛光如来という光と仏の知恵に包まれており、広大な宇宙である群青で表現されるため、春と秋のライトアップでは青色の光が境内全体を包みます。
境内にある天然記念物の大クスノキや竹林も青色に照らされ、紅葉は優美な姿になります。
赤や黄色を引き立てるライトアップが多いなか、青色に照らされる紅葉は珍しいですよね。ぜひ、青色のライトに輝く紅葉を見て、宇宙の広大さを感じてみてください。
夜の特別拝観 期間:2025年11月7日(金)~12月7日(日) 時間:18:00~22:00(最終受付 21:30) 場所:青蓮院(京都府京都市東山区粟田口三条坊町69-1) 料金:1,000円 詳細:https://www.shorenin.com/night/ |
京都の紅葉観光に役立つTIPS!

京都の紅葉シーズンである11月以降は、日中と夜の寒暖差が大きくなります。
そのため、訪れるなら脱ぎ着しやすい上着があると便利です。
また、京都は坂道や砂利道も多いので、スニーカーなどの歩きやすい靴が鉄則!
そして、清水寺など観光客で溢れる人気スポットは、日中~夕方にかけて混雑状況がピークに。ゆっくり拝観したいなら、日中なら早朝、ライトアップを見るなら遅めの時間がおすすめです。
まとめ
今回は、京都の東部・洛西エリアのライトアップや特別公開がある紅葉スポットをピックアップしました!
京都市内では紅葉スポットが多いものの、ライトアップされる場所や限定公開される場所は意外と穴場スポットでもあります。
京都の伝統や歴史、宗教、そして夜景が楽しめる場所もたくさんあるので、ぜひ訪れてみてくださいね!
