【京都天橋立】丹後の酒蔵めぐり―1832年創業の蔵から、赤い日本酒・クラフトビールまで

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日本三景・天橋立のある丹後は、実は酒どころでもあります。

由良ヶ岳から流れる水、丹後の田で穫れる米、そして日本海の魚介。酒造りに必要なものと、酒に合わせる肴が、同じ土地の中にそろっています。

この記事では、天橋立から足を延ばして訪ねたい丹後の醸造所を4か所紹介します。江戸時代から続く酒蔵もあれば、2015年に始まったばかりのホップ栽培から生まれたクラフトビールもある。丹後の「醸す文化」は、今も更新され続けています。

目次

【一覧】丹後の醸造所4か所

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創業所在地代表銘柄直売天橋立駅から
ハクレイ酒造天保3年(1832年)宮津市由良香田「天の蔵」車 約30分
向井酒造宝暦4年(1754年)伊根町平田京の春/伊根満開蔵元店舗車 約35分
飯尾醸造(酢)明治26年(1893年)宮津市小田宿野純米富士酢あり車 約15分
かけはしブルーイング2010年代与謝野町ASOBI取扱店中心車 約25分

※所要時間は目安です。見学・直売の可否や営業時間は変わることがあるため、訪問前に各社へご確認ください。

ハクレイ酒造 ― 天保3年から、由良ヶ岳の水で

宮津市由良にあるハクレイ酒造は、天保3年(1832年)創業。江戸時代後期から続く、丹後を代表する酒蔵です。

酒造りの要は水です。ハクレイ酒造は、由良ヶ岳から流れる良質な水を使い、この土地で190年以上にわたって酒を造り続けてきました。

蔵元には直売所「天の蔵」があります。実際に酒が造られている場所で、香りのする空気の中から一本を選ぶ。これは土産物店ではできない体験です。

銘柄に迷ったら、まずは「香田」を。丹後の魚介やへしこと合わせると、この土地の食が立ち上がってきますよ。

▶ハクレイ酒造株式会社
▶住所:京都府宮津市由良949
▶直売所:天の蔵
▶天橋立駅から:車で約30分

向井酒造 ― 海に最も近い蔵と、赤い日本酒

伊根湾沿いに建つ向井酒造は、宝暦4年(1754年)創業。270年以上の歴史を持つ酒蔵です。舟屋が並ぶ町並みの中にあり、「日本で海にいちばん近い酒蔵」とも言われます。

ここで造られる「伊根満開」は、古代米である赤米を原料にした、鮮やかな赤色の日本酒。甘酸っぱい味わいで、一般的な日本酒とはまったく違う印象です。ロゼワインのように楽しめるため、日本酒に馴染みのない方にも人気があります。

定番銘柄は「京の春」。まずは食中酒として京の春を、変わり種として伊根満開を、という選び方もできます。

蔵では「伊根満開」の酒粕を使った甘酒やマカロンも販売しています。甘酒は赤米の香りがふわりと立ち、お酒が苦手な方へのお土産にも向いていますよ。

人気商品のため、売り切れていることも。
「伊根満開」は生産量が限られており、蔵元でも品切れになることがあります。伊根を訪れて見つけられたら、迷わず確保しておくのがおすすめです。

▶向井酒造株式会社
▶住所:京都府与謝郡伊根町平田67
▶天橋立駅から:車で約35分/路線バスあり

飯尾醸造 ― 酒ではなく、酢を醸す

丹後の醸造文化は、日本酒だけではありません。宮津市小田宿野の飯尾醸造は、明治26年(1893年)からお酢を造り続けています。

米酢は、米から酒を造り、その酒を酢酸発酵させて生まれます。つまり酢造りは、酒造りの延長線上にあるのです。

飯尾醸造の代表商品「純米富士酢」は、丹後で栽培された米を原料に、静置発酵という昔ながらの方法で仕込まれます。タンクの表面に菌の膜を張らせ、時間をかけてゆっくり発酵させる方法で、短期間で仕上げる方式に比べると手間も日数もかかります。

酒蔵をめぐる道中に立ち寄ると、丹後の「醸す文化」の幅が見えてきます。

▶株式会社飯尾醸造
▶住所:京都府宮津市小田宿野373
▶天橋立駅から:車で約15分

かけはしブルーイング「ASOBI」― 与謝野ホップから生まれたビール

丹後の醸造には、新しい流れもあります。与謝野町のホップ栽培です。

本格的に始まったのは2015年ごろ。国内では東北以北が適地とされてきた中で、関西でホップを育てるという珍しい挑戦でした。

与謝野ホップは収穫時期が早く、摘みたての生ホップを使ったビールが造れるのが特徴です。現在では複数の品種が栽培され、全国の醸造家からも注目される地域資源に育っています。

その与謝野ホップを使った一本が、かけはしブルーイングの「ASOBI」。地域に新しい産業を作ろうという発想から生まれたクラフトビールで、与謝野産ホップの香りと苦味を楽しめます。

▶商品名:ASOBI/企画・販売:かけはしブルーイング
▶住所:京都府与謝郡与謝野町字男山119-5
▶主な購入場所:天橋立周辺の取扱土産物店、与謝野町・丹後地域の取扱店 など

丹後の酒に合わせたい、丹後の肴

せっかく丹後の酒を手に入れたなら、肴も同じ土地のものを。

  • へしこ…鯖を塩と米糠で熟成させた保存食。薄く切って日本酒と
  • オイルサーディン…竹中罐詰の缶詰。そのままでも、軽く炙っても
  • 寒ブリ…11〜3月の丹後は、日本三大ブリ漁場のひとつ
  • 間人蟹…冬の丹後を代表する高級ブランド蟹

【モデルルート】天橋立から半日でめぐる

4か所すべてを1日で回るのは慌ただしいので、方角で分けるのがおすすめです。

Aコース|伊根方面(半日)

10:00 天橋立駅を出発
10:35 向井酒造で「伊根満開」を購入
11:00 伊根の舟屋を散策、海上タクシーや遊覧船も
13:00 舟屋のカフェ・食堂でランチ
15:00 天橋立へ戻る

Bコース|宮津・由良方面(半日)

10:00 天橋立駅を出発
10:15 飯尾醸造(宮津市小田宿野)
10:45 竹中罐詰(同エリア)でオイルサーディンを
11:30 ハクレイ酒造「天の蔵」(宮津市由良)
13:00 宮津市内でランチ
14:30 天橋立へ戻る

まとめ|丹後は、今も醸し続けている

今回は、天橋立から訪ねられる丹後の醸造所を4か所紹介しました。

1832年から続く蔵もあれば、2015年に始まったホップ畑から生まれたビールもある。丹後の醸造文化は、守られているだけでなく、今も新しく作られています。

酒蔵めぐりの締めくくりは、買った一本を部屋でひらく時間です。天橋立エリアには、食事と温泉をゆっくり楽しめる宿がそろっているので、ぜひ天橋立エリアに宿泊してゆっくりお酒の美味しさを堪能してください。

天橋立を眺めるだけでは見えてこない、この土地のもう一つの顔。ぜひ、蔵まで足を運んでみてくださいね。

MATSUMURA
JAPANOPIA編集部ライター
ライター歴6年。兵庫生まれで学生時代はアメリカやインド、タイ、台湾などを訪れ、日本と文化の違いを楽しむ。
京都の茶筒「開化堂」や切り絵作家 早川鉄兵氏が作品を通して伝統技術を今に伝える活動に感銘を受けてからは、日本の伝統技術に興味。
今では、主に京都や滋賀、兵庫エリアの穴場スポットや地元の人に愛される名店などをもっと知ってほしい!そんな想いで取材や調査を行い、リアルで詳しい情報を提供しています。
歴史や伝統文化、日本ならではのしきたりも、背景を知ればもっと面白い!
「そこに行ってみたい!」「体験してみたい!」と思ってもらえるように日々記事を執筆中です。
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