【京都清水寺】見どころや清水の舞台の秘密を紹介!イベントやアクセス・周辺の観光スポットも

清水寺
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京都の有名なお寺「清水寺」

近くの清水坂や二寧坂・産寧坂も有数のお土産・グルメスポットでもあることから、多くの方が訪れています。

この記事では、清水寺の見どころやアクセス方法、そして周辺の観光スポットを紹介します。

清水の舞台は伝統的な建築様式で作られていて、驚くべき耐震性の高さを誇っています。

秘密を知ってから訪れると、見るポイントが増えてもっと面白くなるはず!

さらに、「清水の舞台から飛び降りる」ということわざの真意や、近くの二年坂・三年坂の伝説についても触れているので、ぜひ読んでみてください。

目次

清水寺とは

清水寺

清水寺の正式名称は、「音羽山清水寺」

清水寺は音羽山の中腹にあり、音羽山の滝の清らかさにちなんで名づけられました。1250年前から親しまれている、京都を代表するお寺です。

清水寺のご本尊は、十一の表情と四十二の手で大きな慈悲をあらわし、人々を苦難から救うとされる十一面千手観世音菩薩じゅういちめんせんじゅかんのんぼさつ です。

別名は「あらゆる方角に顔を向けた者」で、姿を33身に変え、すべての者に救いの手を差し伸べてくれると信じられています。

このように、清水寺は古くから無病息災や出世、良縁といったご利益を願う人々から「清水の観音さん」と信仰されてきました。

「私とあなた」を意味する「観音」

清水寺

「観音」という言葉、つまり「音を観る」という言葉には、周囲や他人、世の中を見て救いの手を差し伸べるという意味が込められています。

そして、観は主観、音は周囲や他人のことを意味することから、観音という言葉には「私とあなた」という意味もあります。

私たちはみな、他人の心までは見えないため、自分の主観で物事を判断しがちですよね。

それに対し観音さまは、十一面千手観世音菩薩に表されているように、広い視野で物事をみて周囲を救おうとする心があると信仰されています。

この心は、実は私たち人間の中にもあるとも言えますよね。

相手の心の内まではわからずとも、相手が救いを求めているかどうか考える、あるいは苦しむ人を助けようとする心がある方は、観音様に成りえることを教えてくれています。

私たちも観音様のように人を思いやりながら過ごしていけたら、もっと平和な世の中になるのかもしれませんね。

清水寺の見どころ

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清水寺には、京都市街や渓谷を見渡せる「清水の舞台」のほか、迫力ある仁王門や、日本最大級を誇る国宝の三重塔、そして西門など、見どころはたくさんあります。

【清水の舞台】絶対に崩れない?!強度の秘密は関西万博にも

kiyomizunobutai

多くの参拝者を支えてきた清水の舞台は、1633年に再建されたもの。

舞台の高さは約13m、4階建てのビルに相当するんだとか。

「もしこの舞台が、観光客の重さに耐えきれず崩れ落ちたら…」なんて想像すると恐ろしくなってしまうかもしれませんが、その心配はまったく無用です。

清水の舞台は、音羽山の急な斜面に建てるために、長い柱と梁で床下を支える建築様式懸造りかけづくりで作られています。

懸造りは、釘を使わず木材を格子状に組むことで耐震性を高める伝統的な技法であり、樹齢400年を誇る18本のケヤキの柱が清水の舞台を支えているんですよ。

(わずかにできた隙間には、木や金属で作られたくさびが使われています)

関西万博の「大屋根リング」も懸造りを活用している

関西万博

大阪・関西万博のシンボル的建物である大屋根リングにも、清水の舞台と同じ懸造りの技法が使われています。大屋根リングは、2025年3月には「最大の木造建築物」としてギネス世界記録に登録されました。

万博の「多様でありながらひとつ」というコンセプトは、「多様な方々が世界中から集まり繋がる場所になるように」という想いが込められています。

清水寺も国内外から多くの方が訪れる場所であり、清水の舞台は清水寺のシンボル的存在でもあることから、通ずるところがあると言えますね。

清水の舞台には、木材の腐食を防ぐ工夫も施されています。

木材は水に弱く、湿気がこもると腐食につながってしまいます。そのため、清水の舞台の床は少し斜めになっていて、雨が溜まらないように工夫されています。

さらに、木々のつなぎ目を見てみると、上部に傘のようなものが付いています。この傘が、舞台から流れてきた水をはじき飛ばし、つなぎ目を守っているのです。

そういった工夫はあれど、虫食いや腐食で損傷してしまう柱もあります。そのため、傷んだ部分は切り取って新しい木材を継ぎ足していく「根継ぎ」が行われ、舞台を次の世代へと守り続けています。

このように、人々の細やかな工夫と補修の繰り返しにより清水の舞台は支えられていると思うと、感慨深いですね。

実際に「清水の舞台から飛び降りる」人がいた…?
kiyomizunobutai
「清水の舞台から飛び降りる」とは、「断崖に張り出している清水寺本堂の舞台から飛び降りるほど、重大な決意で物事にのぞむこと」を表したことわざです。

当時は、決意表明の意も込めて実際に飛び降りる人がいたんだそう。85%が生存できたと言われていますが無傷で済むわけはなく、明治時代には「飛び降り禁止令」が発令されたんだとか。

実際に清水の舞台から飛び降りることは避けたいですが、危険を承知で大きな決断をする、あるいは思い切って新たな一歩を踏み出すときには、このフレーズを使ってみてください。

【西門】西門から見る夕陽で極楽浄土を体感する

清水寺 西門
清水寺 西門

清水寺の宗旨は北法相宗といい、もともとは古代インドで誕生した唯識思想ゆいしきしそうという仏教学派のひとつです。

「唯識」とは、「唯=ただ」「識=こころ」という意味であり、あらゆる事象は自分の心を反映した結果起きたことであるため「出来事から自分の心を見つけ、正していきましょう」という教えを説いています。

そのため、仏教修行のひとつには西に沈む太陽を見て自分の心と向き合う「日想観」があります。

極楽浄土は西にあると言われているので、静かな心で西の太陽を見つめながら自分の心と向き合い、極楽浄土を想い心の平安を保つというもの。

清水寺の入り口に建つ西門は、まさに日想観を行うのにふさわしいスポット。

ぜひ、日没時には西門に立って夕陽を眺めてみましょう。心が落ち着き、洗われていくのを感じるかもしれませんよ。

【行事】桜・紅葉の時期以外も訪れたい清水寺

清水寺 青龍会
青龍会せいりゅうえでは観音さまの化身である龍が練り歩く

清水寺は、桜と紅葉の名スポットでもあります。

が見ごろを迎える3月後半 〜 4月初旬と、紅葉が見ごろの11月中旬 〜 12月初旬にはライトアップが行われ、その時期には夜間の特別拝観が開催されます。

清水寺の敷地内で暗闇のなかに照らされた桜や、紅葉と楼門やお堂とのコラボレーションも美しいですが、本堂や三重塔を引きで見たライトアップの姿も素晴らしいものですよ。

また、年間を通して清水寺ではさまざまな行事が開催されています。

なかでも年に三度行われる青龍会は迫力満点。

長さ18mの青龍の後に装束姿の会衆が、地域の守護と除災を祈願して境内と門前町を練り歩きます。約8,000枚の和紙で作られている青龍の鱗にも注目です。

行事日程時間特徴
夜間特別拝観春:3/25~4/3
夏:8/14~8/16
秋:11/22~12/7
~21:30(21:00 受付終了)・ライトアップあり
・予約不要
青龍会3/15、4/3、10/1514:00~15:30長さ18mの青龍が境内近隣を練り歩く
千日詣り8/9~8/169:00~17:00
※14日〜16日は夜間拝観可能(21:00 受付終了)
・1日の参詣が千日分の功徳に値する
・本堂内々陣が特別公開される
成就院庭園特別公開11/22~12/79:00~16:00
18:00~20:30
・「月の庭」と呼ばれる名庭が公開
・予約不要
涅槃会ねはんえ2/15通常非公開の「大釈迦涅槃図」が一般公開される

清水寺の詳しいイベント情報は、こちらからご確認ください。

清水寺の滞在時間目安は、1~2時間ほど。イベントに合わせて、訪れる時間を調整してくださいね。

清水寺へのアクセス方法

清水寺

清水寺に行くには、JR京都駅から市バス206「東山通北大路バスターミナル」行き、あるいは市バス100「清水寺祇園 銀閣寺」行きに乗り「五条坂」停留所に下車。徒歩10分で到着します。

錦市場などから行く場合は、「京都河原町駅」から市バス207「東福寺・九条車庫」行きに乗車し「清水道」で下車します。その後、徒歩10分で清水寺に到着。

いずれも清水坂産寧坂も通れるため、途中で買い物や食事を楽しめますよ。

清水寺
住所:京都市東山区清水1丁目294
TEL:075-551-1234
営業時間:6:00~18:00(夜間特別拝観についてはHPを確認)
HP:https://www.kiyomizudera.or.jp/

周辺の観光スポット

1600年代半ばの戦国時代、五条大橋から清水坂周辺にわたる参道には、参拝者が休憩する茶店で賑わい、清水寺境内に咲き誇る桜や清水の舞台から絶景を楽しむ人々の姿が溢れていました。

先行き不透明で人々の不安が頂点だった戦国時代においても、清水寺は娯楽の殿堂として人々の心を支えてきたのです。

清水寺から眺める絶景を求めて多くの人々が集まり、周辺の飲食・お土産店で食事や買い物を楽しんでいる様子は、今も昔も変わらない姿と言えますね。

一年坂(一念坂)・二年坂(二寧坂)・三年坂(産寧坂)の魅力

清水寺周辺には、いくつかの”坂”がありますが、なかでも一年坂・二年坂・三年坂はさまざまな飲食店やお土産店が並んでいます。

これらの坂には、さまざまな由来や言い伝えがあるのをご存知でしょうか。

一年坂

ichinenzaka

八坂神社や高台寺に続く「ねねの道」から、清水寺方面に出る路地が一年坂です。

整備されたのが1992年と比較的新しい道ですが、清水寺のご利益を”念”ずるという意味を込めて一念坂とも呼ばれています。

二年坂

二寧坂

一年坂から三年坂へとつなぐ道が、二年坂です。

三年坂の手前にある坂のため、二年坂と呼ばれるようになったんだとか。

石畳の道と虫籠窓むしこまどを備えた数寄屋風の京町家が、大正時代の京都の風情を色濃く残しています。

虫籠窓

虫籠窓とは、二階にある窓のこと。風の通りや光の差し込みを調整するために格子が建てつけられていて、見た目が虫かごのように見えることからそう呼ばれるようになりました。

そして数寄屋風とは、厳密には茶道や生け花を楽しむ茶室がある建築を指しますが、土壁や竹などの自然の素材を使った和風建築も意味しています。

二年坂は、大正時代の代表的な画家の竹久夢二が愛人・彦乃と過ごした家「竹久夢二寓居跡」があることでも知られています。

イラストレーターの先駆け?!竹久夢二

竹久夢二は、大正時代に独特の叙情が特徴の大正ロマン美人画を生み出した画家です。雑誌の表紙から広告、便箋、うちわ、そして浴衣までさまざまなデザインを手掛けていたことから、現代のイラストレーターやグラフィックデザイナーの先駆者とも言えるほど。

大正ロマンとは、西洋文化と日本の伝統文化が合わさった独特の文化や社会現象を指しますが、日本人にとってはどこかノスタルジックな印象を受けるもの。

和洋折衷の魅力を表した竹久夢二の絵は、現代でも高く評価されるのも納得ですね。

三年坂

産寧坂

二年坂をのぼり、八坂の塔から来る道と合流した地点にある三年坂。数寄屋風の京町家と瓦屋根が並ぶ光景が美しく、重要伝統的建造物群保存地区に指定されています。

清水寺の塔頭寺院たっちゅうじいん(大寺院の子院のこと)である泰産寺たいさんじにある「子安の塔」が安産の祈願塔であることに関連し、「この坂を通って清水寺を参ると安産になる」と伝わり、「産(生み)寧(安き)坂」と呼ばれるようになりました。

一方で、三年坂で転ぶと三年のうちに亡くなる、あるいは三年間寿命が縮まるといったちょっと怖い迷信もあります。

かつてはこの坂が埋葬地「鳥辺野」に通じていたため伝わったのですが、「坂道では足元に気を付けて」という意味も込められているんだとか。

また、万が一転んで魂が抜けてしまっても、ひょうたんが元に戻してくれるという言い伝えもあるんだそう。そのため、三年坂のふもとにはひょうたん屋さんがあります。

この言い伝えを聞いて不安に感じてしまった方は、ひょうたんを買ってお守りとして持っておくと安心ですよ。

一年坂・二年坂・三年坂で訪れたいお店

かさぎ屋

甘味処「かさぎ屋」
画家・詩人の竹久夢二が通っていたお店「かさぎ屋」。

大正時代にタイムスリップしたような店内と餡子にこだわった甘味が魅力です。

創業以来メニューはほとんど変わらず、甘さ控えめの餡子が美味しいおはぎのほか、抹茶シロップが美味しい氷宇治金時がおすすめ。

かさぎ屋

瓢箪屋

瓢箪屋ひょうたんや
大小さまざまなひょうたんがたくさん売られているお店。店内には、ひょうたんだけでなく店主が好きな猫グッズも売られています。

店主と話したくてお店に訪れる方もいるほど、店主の雰囲気も素敵なお店。

瓢箪屋

京の味処うえ村

京の味処うえ村
おばんざいや天ぷらなどが美味しい和食店。人混みに疲れたときにホッとひと息つける店内の雰囲気が好評です。

素材を活かす優しい味付けで、丁寧に作られた逸品揃いのメニューも魅力。おすすめは、野菜の美味しさが際立つ野菜天ぷらと帆立ご飯です。

京の味処うえ村
画像引用:https://tabelog.com/kyoto/A2601/A260201/26013756/

MATSUMURA
JAPANOPIA編集部ライター
ライター歴6年。兵庫生まれで学生時代はアメリカやインド、タイ、台湾などを訪れ、日本と文化の違いを楽しむ。
京都の茶筒「開化堂」や切り絵作家 早川鉄兵氏が作品を通して伝統技術を今に伝える活動に感銘を受けてからは、日本の伝統技術に興味。
今では、主に京都や滋賀、兵庫エリアの穴場スポットや地元の人に愛される名店などをもっと知ってほしい!そんな想いで取材や調査を行い、リアルで詳しい情報を提供しています。
歴史や伝統文化、日本ならではのしきたりも、背景を知ればもっと面白い!
「そこに行ってみたい!」「体験してみたい!」と思ってもらえるように日々記事を執筆中です。
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