紅葉を、上から見下ろす。しかもその向こうに、日本三景の海が広がっている。
京都府北部の成相寺(なりあいじ)は、天橋立を見下ろす山腹に建つ紅葉の名所です。色づいた木々と高さ33メートルの五重塔、そして眼下の天橋立。この3つが一度に視界に入る場所は、そう多くありません。
秋の京都といえば市内の名所が思い浮かびますが、北部まで足を延ばすと、市内では味わえない秋があります。
紅葉の見頃と重なる11月6日にはズワイガニ漁が解禁。そして伊根の舟屋には、泊まった人しか歩けない朝と夕方があります。
この記事では、秋の天橋立・伊根で1泊するという過ごし方を紹介します。
秋の天橋立・伊根には、京都市内にはないものがある
京都市内の紅葉はもちろん素晴らしいものです。ただ、天橋立・伊根の秋には、市内では体験できないことがいくつもあります。
人の密度が違う
11月後半から12月の京都市内は、一年でもっとも混み合う時期です。嵐山や東山では日中の道路とバスが混雑し、移動と行列に一日の大半を使ってしまうこともあります。
天橋立・伊根なら、同じ紅葉のシーズンでも、景色にかける時間の割合がまるで違います。
朝と夕方が手に入る

伊根の舟屋がいちばん静かで美しいのは、日帰り客が到着する前の朝と、帰ったあとの夕方です。この時間は、現地に泊まった人だけのものです。
京都市内から特急でおよそ2時間。日帰りもできますが、この記事でおすすめしたいのは現地に1泊することです。
天橋立と伊根を、2日に分けて観光できる
天橋立と伊根は、車でおよそ35分離れています。同じ日に両方を回ろうとすると、移動に追われて慌ただしくなります。
現地に泊まれば、1日目は天橋立と成相寺、2日目は伊根というように分けられます。それぞれの場所にゆっくり時間を使えます。
伊根湾は南に向かって開いているため、東側の開けた場所からは海を望みながら朝日を見ることもできます。11月の日の出は、月初で午前6時16分頃、月末で午前6時46分頃。早起きすれば十分に間に合う時間です。
紅葉と天橋立を、一度に見下ろす―成相寺

この記事の主役は、天橋立を見下ろす山腹に建つ成相寺です。
西国28番札所であると同時に、丹後を代表する紅葉の名所でもあります。
見頃は例年11月中旬~11月下旬。山内にはモミジ、カエデ、ナラ、シデなどが分布し、高さ33メートルの五重塔と本堂を紅葉が包む景色は見応えがあります。年によってはライトアップが行われることもあります。
そして成相寺の何よりの強みは、紅葉と天橋立を一度に見られることです。京都市内の名所は、境内や庭園で紅葉を見上げる体験が中心。成相寺は山腹にあるため、紅葉越しに天橋立を見下ろすという構図になります。海と紅葉が同じ景色に収まる。これは市内では成立しません。
▶成相寺(なりあいじ)
▶住所:京都府宮津市成相寺339
▶紅葉の見頃:例年11月中旬~11月下旬
▶主な樹種:モミジ、カエデ、ナラ、シデ
▶入山料:500円
▶駐車場:50台
▶アクセス:傘松ケーブルカー+成相山バス、または車
※料金・運行状況は変わることがあります。最新の情報は公式サイトでご確認ください。

(参考元)
https://koyo.walkerplus.com/detail/ar0726e12724/
11月6日はカニの解禁日

この時期に天橋立・伊根をすすめる理由が、もうひとつあります。
京都府のズワイガニ漁は毎年11月6日に解禁されます。成相寺の紅葉の見頃とちょうど重なる時期です。
丹後で水揚げされた松葉ガニには産地を示すタグが付き、宮津エリアの宿では活カニのフルコースを用意しはじめます。紅葉を見て、産地でカニを食べて、泊まる。11月の天橋立は、それが一度にできる場所です。
ただし、年末年始が近づくと松葉ガニの相場も宿泊料金も上がります。紅葉とカニの両方を狙うなら、11月中旬~12月前半が狙い目です。
伊根まで足を延ばすなら、いつが美しい?
伊根の舟屋は、季節だけでなくその日の天気と風で景色が大きく変わります。晴れて風の弱い日は、伊根湾が深い緑色になって舟屋と背後の山を映し込みます。
季節ごとの違いや、朝日を狙うときの時間帯は、以下の記事で詳しく紹介しています。


宮津エリアで泊まる宿4選
宮津・天橋立エリアには、温泉と食事を楽しめる宿がいくつもあります。ここではタイプの違う4軒を紹介します。いずれも冬にはカニのプランを用意しています。
【天橋立離宮 星音】大人ふたりで、食事と温泉に集中する

1日7組限定、全室にプライベートプールと2種類の天然温泉を備えたリゾートヴィラです。
敷地内のレストラン「香音」では、天橋立エリアの食材を使った創作料理を提供。冬には間人蟹や近隣のブランド蟹をフルコースで味わえる期間限定プランがあります。
中学生以上が対象のため、大人だけで静かに過ごしたい方に向いています。
▶天橋立離宮 星音
▶住所:京都府宮津市日置2686
▶タイプ:全7棟のリゾートヴィラ(1日7組限定)
▶特徴:金温泉・銀温泉/プライベートプール/中学生以上

【オーベルジュヴィラ楚々-SOSO-】1日1組の「泊まれるレストラン」

1日1組限定のオーベルジュ。「泊まれるレストラン」を掲げ、食事を旅の中心に置いた宿です。
一棟をまるごと使えるため、家族連れやグループでも周りを気にせず過ごせます。紅葉を見て戻ったあと、部屋で落ち着いて食事を楽しみたい方に向いています。
▶オーベルジュヴィラ楚々-SOSO-
▶エリア:京都府宮津市
▶タイプ:1日1組限定のオーベルジュ
▶特徴:一棟貸し/食事重視/家族・グループ向き
【MEZZO ALL SUITE VILLAS】天橋立駅からのアクセスを重視するなら

天橋立駅からアクセスしやすい立地が最大の強みです。京都市内から電車で来て、駅を拠点に成相寺や伊根を回りたい方に向いています。
全室スイート仕様のヴィラで、冬は活カニのフルコースプランを用意。車を使わない旅程を組みたい場合の選択肢です。
▶MEZZO ALL SUITE VILLAS
▶エリア:京都府宮津市
▶タイプ:オールスイートヴィラ
▶特徴:天橋立駅からアクセス良好/カニプランあり
【花菖蒲】温泉をしっかり楽しみたい方に

3種類の温泉と、和室の心地よさにこだわった宿です。
晩秋の丹後は冷え込みます。紅葉を見て歩いたあとに温泉に入り、和室で休むという、いわば王道の過ごし方をしたい方に向いています。
▶花菖蒲
▶エリア:京都府宮津市
▶タイプ:温泉付き宿泊施設
▶特徴:3種の温泉/和室/カニプランあり
このほかにも、宮津エリアには瑠璃浜やマリントピア・ザ・スイート、オーベルジュヴィラ KUON-久遠- など、温泉とカニを楽しめる宿があります。

まとめ|秋の京都は、北へ行くほど景色が広くなる
紅葉を見下ろし、その向こうに海がある。秋の天橋立・伊根には、そういう景色があります。
紅葉と天橋立を一度に見下ろせる成相寺。11月6日に解禁される松葉ガニ。泊まった人だけが歩ける、朝と夕方の伊根の舟屋。秋のこの時期にしかそろわない組み合わせです。
宮津エリアには温泉と食事を楽しめる宿がそろっています。今年の秋は、京都をもう少し北まで。天橋立・伊根で1泊するという過ごし方を、ぜひ考えてみてください。



















